大手損保の直近決算を見て感じたこと。
東京海上ホールディングス、MS&ADホールディングス、損保ジャパン日本興亜ホールディングスの大手損害保険3グループは、2015年度の国内保険料収入が合計で7兆6296億円と前年度比で3.4%増えた模様です。
この理由には、35年間という火災保険の長期契約が最長で10年間に短縮されたことによる駆け込み需要が発生したことだと予測されます。
火災保険に限らず、世の中の経済情勢は、法律の改正によって私たち消費者が損をするようなものに関する駆け込み需要はよくある話です。消費税や軽自動車税といった増税前にも同じような駆け込み需要がありました。
そして、駆け込み需要の効果は、数字となって顕著に表れますが、結果として法律改正後の消費の落ち込みも顕著に表れることから、平均的な推移になるのが一般的です。そのため、さほどニュースになるようなことでもないと考えるのが私の率直な感想です。
昨今の損害保険は、毎日の日常生活において、ありとあらゆる細かなアクシデントに対して損害保険を販売しているように見受けられますが、はたしてそこまで神経質になるようなことなのか疑問に感じます。
特に個人の方の場合は、支払保険料をこつこつ貯蓄することで損害のリスクを回避できるようなことって実はたくさんあるような気がするのですが、いかがでしょうか?
一方で法人では、サイバー犯罪やその他賠償責任問題についてのリスクを回避する保険加入に力を入れているようですが、こちらは存続の問題が大きく関わってくるだけにおろそかにできない問題といえます。
個人のニーズ、法人のニーズに特化する損害保険が、社会全体に求められているだけでなく、保険会社の業績に大きな影響を与えることになると考えられそうです。
(以下は日経新聞からの一部抜粋です)
大手3損保、15年度の保険料収入3.4%増 火災保険に駆け込み
大手損害保険3グループが6日発表した2015年度の国内保険料収入(速報値)は、合計7兆6296億円と前年度比3.4%増えた。増加は7年連続。損保各社が昨年、火災保険の長期契約の取り扱いをやめ、その直前に駆け込み需要が発生したことが契約を押し上げた。
主力の自動車保険も保険料の引き上げで収入が増えた。火災保険は15年10月に10年超の長期契約の引き受けを停止。これに伴い9月までに顧客の割安感のある長期契約への切り替えが相次いだ。火災保険は足元では反動で契約の大幅減が続いている。