様々な業種で活用できるカスタマーハラスメント保険。

今年に入って相次いで損害保険会社から「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を対象とした保険が販売されました。
カスタマーハラスメントとは、顧客が従業員に対して理不尽な要求を突きつけたり、SNSで根拠のない悪評を立てられたりするカスタマー(顧客)から受けるハラスメント(嫌がらせ行為)のことを言います。

損保ジャパンでは従来の保険の特約としてカスハラ保険が発売されました。
発売から4ヶ月で約1,700社が加入したそうです。新型コロナウィルスの感染症対策を行う店側に苦情が増えたことが加入の多さに繋がったようです。

損害保険ジャパン株式会社は、中小企業向けの主力商品である事業活動総合保険「ビジネスマスター・プラス」の新たな特約として、業務に関連するクレーム等を解決するために要する弁護士費用を補償する『クレーム等対応費用補償特約』と、従業員の不誠実行為によって企業が所有する財物等に生じた損害を補償する『従業員による不誠実行為補償特約』の販売を、2020年7月保険始期契約から開始します。

損保ジャパンのカスハラ保険の全文はこちら(PDF)

また、東京海上日動火災保険でもカスハラに対応する特約を発売しています。
両社の年間保険料は売上高5,000万円の小売・飲食業で3,000円~5,000円が目安となっています。

カスハラは予防策+保険で対策

近年SNSの発達や新型コロナウィルスの影響で従来では想像できなかったハラスメントが起きています。
カスハラに関しては、従業員が休職に追い込まれるほど悪質なものもあり、社会問題ともなりました。

企業側としてはクレームに対する社員教育、証拠を抑えるための防犯環境の強化などが求められていますが、中小企業では人員不足からそこまで手が回らない会社もあるでしょう。

企業側としてできる限りカスハラに対する予防策を行いながら、難しい部分は専門家に相談する、またいざという時の弁護士費用を保険でカバーできるようにするというのがカスハラ保険の良いところです。

小売りや飲食業を中心に、幅広い業種で需要

新型コロナウィルスの影響で商品の品薄によるクレームを受ける機会が大きくなった小売業や感染症対策による衝突が問題となった飲食業ではこのカスハラ保険は大きな安心となるでしょう。
最近では介護施設や宿泊施設でも理不尽なクレームやSNSによるカスハラが増加しています。

なお、損保ジャパンも東京海上日動火災保険もカスハラに関しての保険は特約のみで単体で入ることは出来ません。
カスハラ特約を付けられる保険も事業所では必要な保険となるので、それらの事業保険に合わせて特約での加入することになります。

(以下はニュース記事からの一部抜粋です)

カスハラ保険に中小企業どっと 謝罪強要、中傷…「客は神様」もう限界

顧客が従業員に理不尽な要求を突きつける「カスタマーハラスメント(カスハラ)」に備えた保険に加入する中小企業が増えている。
トラブル解決に当たる弁護士費用を補償する損保ジャパンの特約には発売四カ月で約1700社が加入。
新型コロナウイルスで飲食店の感染防止策に対する苦情が増えたことも背景にあるという。

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