交通事故の逸失利益、一括ではなく定期払いを認める判決が出る

後遺障害による逸失利益の定額払いを認める

交通事故で後遺障害が残り、生涯就労できないと診断された17歳の男性(事故当時4歳)に対し、裁判所は逸失利益の定期払いが認められました。

逸失利益とは、「事故がなければ将来に得ることができた収入が失われたことによる損害」です。「将来に得ることをできた収入」とは、本来事故の時点では不確定なものではありますが、労働能力喪失期間(18〜67歳を労働可能期間としています)や後遺障害の等級、事故当時の収入など様々な要素を元に計算し、算出します。

これまでは、逸失利益は一括で支払われる「一時賠償」が一般的でした。

定額払にはどんなメリットがあるのか

このたび、裁判で認めれた「定額払」は、一括払いに比べて利息分が多く支払われるメリットがあります。総支払額では数億円の差額が出るケースもあります。
また、特に今回のように被害者が若いケースでは、毎月一定額を受け取る方が安心感が得られると思います。

逆に定額払のデメリットは?

定額払いは、何年も何十年もの間、保険会社と付き合っていかなければなりません。その間に保険会社の統合により適切に引き継がれずに支払が滞ったり、保険会社が破綻するかもしれません。
また、物価変動等の影響で金額の減少を申し入れられることもある可能性もあります。

保険会社にとって定額払いは大きな負担

定額払は保険会社にとってはとても負担です。一括で支払うときのように利息分を支払うため、金銭的な負担が増えるます。
それに加え、何十年にも渡り被害者にお金を払い続けるため、支払管理が何年も続きます。

また、物価変動等の影響を受けて増額を要求されるかもしれません。定額払が一般的になれば保険会社の金銭的・業務的な負担が増えるわけですから、保険料にも影響が出てくるかもしれませんね。

どちらがいいかは被害者が決めるべき

逸失利益の定額払いは保険会社にとってはメリットがほぼありませんが、被害者の意向が一番に最優先されるべきであり、保険会社には定額払いを断れる権利はありません。
この判決をもとに定額払いは一般的になるかもしれません。保険会社には定額払いも念頭に入れた管理方法等の整備が求められます。

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