安定した企業経営と従業員の幸福を求める賃上げの課題

経団連によると、企業に負担義務がある法定福利費は2014年度に1人あたり月8万3500円となり過去最高額を更新した模様です。
この背景には、高齢化が進み、医療、介護などの社会保険料が増えた影響や、政府の要請による賃上げ率が要因とされています。今後、大企業における法定福利費の負担増は、今後の賃上げにも逆風となる可能性があると予測されます。

そもそも法定福利費とは、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険といった企業が負担する社会保険料のことを言います。これらの社会保険料は、原則として賃上げされた給与をベースに算出されることになりますので、従業員の賃上げが行われるということは、必然的に企業が負担する法定福利費も増加することに繋がります。

これは、給与と法定福利費といった人件費の負担が二重にのしかかることになるのです。
大企業、中小企業を問わず、一般的に最も高い経費は「人件費」のため、それぞれの企業は、最も高い経費である人件費をいかに削減して収益アップを図れるかと考えるのがごく自然の流れでしょう。この流れが、結果として非正規労働者が増加しているという背景と結びついていくわけです。

現実問題として、2014年度は企業が賃上げに動いた結果、現金給与の総額は2013年度より約2.3%増えたこともあり、このまま法定福利費の負担増が続くと「給与のベースアップをためらう企業が続出しかねない」といった懸念もあるようですが、正にその通りだと思います。
安定した企業経営と従業員の幸福を求めるのは、本当に難しいものと改めて感じます。

(以下は日経新聞記事からの抜粋です)

大企業の福利厚生費、過去最高 14年度1人あたり月8.3万円

大企業の福利厚生費が膨らんでいる。経団連によると、企業に負担義務がある法定福利費は2014年度に1人あたり月8万3500円となり過去最高額を更新した。高齢化が進み、医療、介護などの社会保険料が増えたためだ。政府の要請もあり賃上げ率は18年ぶりの高さとなったが、福利費の伸び率はそれを上回った。企業の負担増は今後の賃上げにも逆風となる可能性がある。

主因は高齢化に伴う医療、年金、介護などのコスト増だ。社会保険料は従業員と会社の双方が負担するため、企業の費用も膨らむ。高齢者医療費をまかなうため多くの健康保険組合が保険料を引き上げたことも費用増につながったという。

14年度は企業が賃上げに動いた結果、現金給与の総額は13年度より約2.3%増えた。だが福利費の負担増が続くと「ベアをためらう企業が続出しかねない」(経団連幹部)との声もある

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