安全性高い工場は火災保険を割引。ビッグデータ活用で適正保険料を算出する仕組みが広がる。
経済産業省が大手損害保険会社と高度な安全対策を取り入れた工場の火災保険料を割り引く仕組み作りを進めます。
2017年度にも導入される予定で、保険料削減額は年間で数千万円にもなる見通しです。
年間で数千万円の保険料減は、工場を抱える企業にとってはとても大きなコスト削減効果になりますね。その保険料削減分で、新たな設備投資や工場の環境整備に資金を活用できるのではないでしょうか。
これにより、更に危険な環境を改善でき、火災や事故を削減することもできると思います。このような循環が進めば、工場を抱える企業だけではなく、損害保険会社にとっても大きなメリットが生まれてくるでしょう。
ビッグデータ活用で、リスクに対して適切な保険料の適用が進む
ビッグデータの活用は色々なところで盛んになっています。今回も、このビッグデータなどを使った最新の事故対策を促すことが経済産業省の狙いでもあります。
自動車保険でもそうですが、損害保険会社のビッグデータの活用は進んできているように思います。保険も細分化・自由設計化が進んでおり、より保険対象物に合った補償内容、適切な保険料が提供されるのはとても良いことだと思います。
企業が安全対策に資金を回せる環境を作れるということは、働く従業員にとっても安心に繋がりますよね。
企業も従業員も安心して働くことができる職場環境は、工場付近の住人や従業員の家族の安心にも繋がります。
今後、ますますビッグデータが活用され、私達の生活がよりよい環境に改善されていくことが期待されます。
(以下は日経新聞からの一部抜粋です)
安全対策に優れた工場の火災保険料安く 経産省と大手損保
経済産業省は大手損害保険会社と共同で、高度な安全対策を取り入れた工場の火災保険料を割り引く仕組みをつくる。企業にビッグデータなどを使った最新の事故対策を促す狙いで、2017年度にも導入する。認定を受けた大型工場の保険料削減額は年間数千万円に上る見通しだ。
経産省と東京海上日動火災保険など大手損保4社が月内に制度の詳細を詰める会合を開く。損保各社が火災保険の料率を決めるマニュアルを改正したうえで、来年4月以降の新規契約からの適用を目指す。
割引の対象になるのは工場内の温度や圧力などのデータを蓄積・分析することで事故の予防策を講じている工場だ。工場内で異常事態が起きる前に事故の予兆を検知できれば、大事故を防げるだけでなく、生産への影響も最小限に抑えられる。データ分析などで事故のリスクが減った工場は保険金を支払う可能性も低いとみて、保険料を引き下げる。