神戸市が認知症事故に給付型救済制度を導入!増える認知症事故に介護者はどう備えるか

認知症の人が事故を起こして損害賠償を求められた場合、公費から給付金の支給を行うという条例が神戸市で施行されました。

認知症は高齢者に多い症状で、高齢化社会である日本では認知症患者の事故はますます増えてくると予想されます。

神戸市の条例に関するニュースの概要から、認知症の現状、そしてそれに伴う損害賠償を伴う事故への対応などを詳しく解説していきます。
親の介護、自身の高齢化など誰もが起こり得る問題にどう備えるか一緒に考えていきましょう。

神戸市の認知症事故の救済制度の概要

神戸市は、認知症事故で被害が出た場合、被害者に対して市が直接給付金を支払うことを定めた条例を施行しました。
また、この条例には高齢者を対象に医療機関での認知症検査も導入する予定で、給付金の詳細や検査の方法などは秋頃までに方針を固め、来年度中の開始を目指しています。

詳細はどのように決定されるか分かりませんが、現時点では被害者か加害者のどちらかが神戸市民の場合で、加害者が認知症と診断を受けている場合が対象となるようです。

給付金は自賠責保険を参考として、最大3,000万円となる予想です。
神戸市は、給付金負担や検査の助成金などの総額を約3億円と想定し、市民税を1人あたり約400円増税する検討しています。

認知症件数と損害賠償を伴う事故

厚生労働省の調べによると、認知症の高齢者は2015年度で約520人、2025年には5人に1人が認知症と予想されています。
認知症は高齢者に特に多い症状で、高齢化が進む日本では避けては通れない課題と言えます。

認知症患者が起こした事故で注目されたのが愛知県大府市で起きた事故です。
当時91歳だった男性が列車にはねられ死亡し、JR東海が介護する家族に720万円の支払いを求める裁判が起きました。
最高裁で「家族に賠償する責任はない」という判決が出ましたが、介護者はどこまで責任をとるべきなのかという観点から大きな注目を集めました。

認知症事故へ備えと注意点

愛知県の事故だけでなく、認知症に関連する事故は増加傾向にあります。
それに対応する条例をいち早く導入したのが、神奈川県大和市です。大和市の場合は公費で保険に加入し、補償は保険でカバーされます。

しかし、このような対策をしている自治体は数少なく、現状は本人や介護者が負担を追うケースが多いようです。
負担を軽くする備えとしては、個人賠償責任保険があります。これは、火災保険や自動車保険などに特約として付けられるもので、他人を怪我させたり、他人のものを壊したりし、損害賠償責任が生じた時に保険金が支払われるものです。

愛知県の訴訟をきっかけにいくつかの保険会社が認知症患者に対応できるように改定を行いました。
ただ、補償内容は保険会社によって異なること、改定前の加入した保険は補償の対象外となることもあります。
高齢の家族がいる場合、万が一の場合を考えての加入、見直しというのを検討すると良いでしょう。

以下はニュース記事からの抜粋です。

認知症事故の賠償 神戸市が全国初の給付型救済制度

 認知症高齢者らが事故を起こして損害賠償を求められた際に、公費から給付金を支給する救済制度を盛り込んだ神戸市の条例が4月から施行された。

 神戸市は、秋ごろまでに対象となる事故や給付額など具体的な運用方法を詰め、来年度中の制度運用を目指す。

 神奈川県大和市が、徘徊歴のある認知症高齢者らに対し公費で保険に加入させる制度を導入しているが、給付型の救済制度ができるのは全国で初めてとなる。

 神戸市の制度は、検診で認知症と診断された市民が起こした事故が対象で、責任能力が有るか無いかを問わず救済する方針。多額の損害賠償請求が見込まれる鉄道事故などを対象に含めるかは検討中だ。

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