一部の企業、一部の人だけが潤う典型パターン

主要な生命保険会社の2015年4~12月期決算において、本業のもうけにあたる基礎利益は大手4社の合計で1兆5085億円と前年同期から約8%増加したようです。増益の要因は、保険料をまとめて支払う一時払い保険の販売が引き続き堅調だったことがあげられます。

支払保険料を一括でまとめて支払う特徴がある一時払い保険は、年数が経過すればするほど、解約したときの解約返戻金がまとめて支払った保険料よりも多く受け取れる仕組みになっています。また、預貯金に比べて利回りが良いこともあり、お金の運用方法として広く使われています。

さらに外貨建を選択することによって為替の影響を受けることから、値上がりした時に解約するといった為替差益を得られる効果もあり、ローリスクでミドルリターンといった効果が認められます。

ただし、一括で保険料を払い込むことから100万円単位の資金が必要となるため、一般世帯では運用することができないデメリットがあり、ごく一部の世帯しかメリットがない運用方法といえます。

保険会社の増益を考えますと、保険契約者が仮に1人であったとしても多額の保険料を支払う保険契約を取り付けることができれば、小さな保険契約を多数の人から集めるよりも大きな効果をもたらすことになります。今回の主要生命保険会社の増益は、一部の投資家や資産家の運用によって潤っていると筆者は予測しており、残念ながら一般世帯まで恩恵は行き渡っておりません。

先日のニュースで2015年10月から12月のGDPがマイナス1.4%という結果が出ましたが、これはまさに前述していることを物語っている結果といっても過言ではないでしょう。

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