介助あり降車時の事故、自動車保険への適用を認めず

2010年の11月に高齢の女性が、介護施設の送迎車から降りる際に骨折したことに対する最高裁への上告審がありました。
上告の訴訟内容は、けがの補償が自動車保険の対象になるかどうかといったものですが、最高裁はこの訴訟に対して自動車の事故には当たらないといった判決を下しました。

率直な感想として「なぜ自動車保険?」「上告までする訴訟?」と感じました。この女性は2013年に死亡しており、高齢者は骨折などをして自力で歩けなくなると一気に弱ってしまう傾向にあるため、確かに事故との因果関係は否めないと思います。
しかし、訴訟を起こすのであればもっと違う方向から訴えていれば、もしかしたら勝訴できていたのではないかと考えました。

たとえば、送迎車での骨折であれば従業員の過失はなかったのでしょうか。
これに対する損害賠償や骨折と死亡による因果関係の証明からの損害賠償など、もっと他の訴え方があったように思います。亡くなったことは気の毒に感じる一方で自動車保険とはなかなか結び付けられないと感じてしまいます。

あくまでも契約内容によりますが、任意加入する自動車保険は広い補償の1つに自動車を運転していなくとも歩行中などに自動車事故に巻き込まれた場合に保険金が支払われるような契約もあります。
一方で、賠償責任に対して支払われる自動車保険はほとんどないことや、あったとしても保険金の支払い要件が厳しいといった現状もあります。

最高裁に上告したことを考えますと裁判費用は相当高額であったことが予測されますが、裁判の訴え方で判決が変わる?かもしれない事例だったと思われます。
おかしな表現ですが訴訟の仕方はよく吟味する必要があるのかもしれません。

(朝日新聞からの記事を一部抜粋します)

介助あり降車時の骨折、自動車事故と認めず 最高裁判決

 介護施設の送迎車から降りる際に骨折した女性のけがが、自動車保険の対象になるかが問われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(山本庸幸裁判長)は4日、「職員が介助して乗り降りした時のけがは、車の事故には当たらない」と判断した。女性の遺族の保険金支払い請求を棄却した一、二審判決が確定した。

 判決は、今回の女性のけがは車の運行と関係がないとする一方、「第三者が関われば車の事故とは言えない」としてきた保険会社の支払い基準については「直ちに『関係がない』とはならない」とも指摘。車の事故に関係するかをめぐって、保険会社の支払い対象をより広くとらえる判断で、今後の保険金支払いに影響する可能性がある。

 女性は2010年11月に足を骨折し、12年に後遺障害保険金の支払いを求めたが、翌年に死亡した。

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