現役FPの警鐘 ドコモのニッセイ保険販売は利用者にはマイナス

突然ですが、「餅は餅屋」という言葉をご存知ですか?この言葉は「専門家が一番」「専門家に任せた方が良い」などといった例えです。昨今、携帯大手のNTTドコモが日本生命と連携して生命保険を販売すると発表しました。筆者は保険を売らないFPですが、この度のニュースに極めて遺憾の念を抱いております。

保険会社の社員ですら「まとも」な保険設計ができない人もいる中で、あまりにも保険販売を軽視しているとしか思えません。そもそも保険販売はちょっとした講習と誰でも合格する筆記試験を受験する事で保険の取り扱いが可能になります。専門的な知識や経験がなくても保険を売る事ができるのです。

銀行窓口で用事を済ませた後にクレジットカードの勧誘や投資信託の勧誘をされた経験がある人も多いと思いますが、今回のニュースは正にこれと同じと言っても過言ではないでしょう。筆者個人的な見解ですが、非常に迷惑だと感じます。そもそも必要であれば必要な時に専門家や専門店へ相談するはずだからです。

専門家の立場から申し上げると、生命保険や投資信託は選んだ商品によって将来の自己資産に大きな影響を及ぼします。従って、お客様へ推奨する側の専門的な知識や経験はもちろんですが、お客様第一主義といった純粋なモラルが求められるのです。加入者側も自己資産を確実に構築していくためには相談する人を選び、見極める必要性があります。

餅は餅屋という言葉がある様に、専門家選びがますます重要な時代が到来して来るでしょう。

(以下、日本経済新聞から一部抜粋です)

ドコモ、店頭で日生の保険販売 一体で割引も

NTTドコモは日本生命保険と提携し、全国で約2400店ある携帯ショップで生命保険の販売を始める。携帯料金と保険料の支払いを一本化し、実質的な割引にも踏み込む方針。携帯料金を巡っては政府の有識者会合が19日に初会合を開き、引き下げ策の検討を始めた。値下げ圧力がかかる中、顧客を長くつなぎ留めることが通信会社の収益安定の要になっており、契約期間が長い生保との連携が広がる可能性がある。

 ドコモが保険代理店となり、ショップ内に販売カウンターを設置。専門スタッフが接客する。保険販売は保険業法の定めで専門の資格が必要となるため、日生が教師役の人材をドコモ側に派遣する。まず来夏に数十店から始め、段階的に取扱店を増やす。

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