鶴見と上麻生で自転車による死亡事故。高額賠償の備えに自転車保険は必須。
12月7日に川崎市麻生区で、女子大生が乗った自転車にはねられて77歳の女性が亡くなる事故がありました。
女子大生は片耳にイヤホンをつけてスマートフォンを操作しながら自転車に乗っていました。
また12月12日に横浜市鶴見区では、男子中学生が乗る自転車に79歳の女性がはねられて亡くなる事故がありました。
男子生徒はライトを点灯して走行していましたが、事故現場は街灯がほとんどない道路でした。
とても痛ましい事故ですね。
自転車は運転免許を必要とせず、誰でも乗ることが可能です。手軽な乗り物であるがために、自転車事故の危険性を軽く考えてる人が多いようにも思えます。
今回の2つの事故とも、おそらく賠償金額は5千万~7千万くらい高額になるのではないかと思います。
過去の事例も調べてみました。
自転車事故で9500万円の賠償命令をうけた事例も。
実際に起きた自転車事故で高額な賠償金が請求されたケースを紹介します。
ケース①
平成20年9月、神戸市で当時小学生5年生だった少年が乗った自転車が、散歩中の60代女性に正面衝突しました。原因は少年の前方不注視です。
被害にあった女性は一命は取り留めたものの意識は戻らず寝たきりの状態になり、請求された損害賠償金は9500万円という超高額になりました。
ケース②
平成14年9月、横浜市で女子高生が乗った自転車が看護師の女性に追突しました。女性は一命を取り留めたものの重度な障害が残り、看護師の職を失うことになりました。
事故の原因は、女子高生が携帯電話を操作していたことによる前方不注意。この事故では、約5000万円の損害賠償金が請求されました。
損害賠償が高額になって加害者側がその金額を支払えず自己破産をしなくてはならなかったケースもあります。
道路交通法の自転車に関する取り決め
道路交通法は自動車だけの法律ではありません。
自転車に関する取り決めも定められており、罰則も定められています。
3年以内に2回以上摘発された場合、自転車運転者講習を受けなければいけません。
【道路交通法の自転車に関する取り決め】
・止むを得ない状況を除き、歩行者にベルを鳴らすことは禁止
・自転車に乗って犬の散歩禁止
・ながら運転は禁止
・傘さし運転は禁止
・自転車2台並走は禁止
・夜の無灯火運転は禁止
・右側通行は禁止
・自転車で歩道の走行禁止(13歳未満および70歳以上の方を除く)
・飲酒運転は禁止
・一時停止無視は禁止
・一方通行無視は禁止
・児童のヘルメット未着用は禁止
・イヤホン・ヘッドホンは禁止
・進路変更時の合図もすること
正直に言って、これらの取り決めを全て把握した上で自転車に乗っている方は少ないでしょう。今後も周知徹底の必要性を感じますね。
自転車に乗る方は、万が一に備えて保険に加入しておくことが大事。
自転車は自動車と同じように、時として「走る凶器」となります。
一方で、自動車のように自賠責保険がありませんし、万が一に備えて保険に加入している人は少ないのが現状ですね。
どんなに注意してルールを守って自転車に乗っていても、事故を起こしてしまうことはあり、相手の被害によっては多額の損害賠償金を請求されることもあります。
そのような損害賠償に備えるために、自転車保険や個人賠償責任保険に加入することをほんとにお勧めします。
すでに自転車保険の加入義務に関して条例を制定している自治体もありますし、今回の自転車事故が起きた横浜市でも保険加入の義務化を検討しているようです。
ちなみに個人賠償責任保険に関しては、火災保険や自動車保険に特約(個人賠償責任特約)として付帯できますから、未確認の人はぜひチェックしておきましょう。
親の目が離れた年頃こそ注意が必要
小さい子供を持つ方は「子供が誰かの物を壊してしまうかもしれない」等の理由で、個人賠償責任保険に加入する方も多いと思います。私もそう思って加入しています。
もちろん小さい子供を持つ方にも個人賠償責任保険の加入は必要ですが、自転車事故の備えという観点では、小さな子供よりも親の目が離れた年齢こそ必要でしょう。
高額な賠償金が発生した事故のケースを見ると、加害者が親から離れて行動している子供のケースが多々あります。
日頃から自転車の安全運転について親子で話し合うことはもちろん、万が一に備えた保険加入も大切です。被害者の方のためであることはもちろん、自転車に乗る我が子のためです。
もし我が子が加害者になったら、それだけでも心の傷は相当深いでしょうが、それに加えて多額の賠償金が原因で一家が自己破産となったらどんな思いをするでしょう。
子供を守る意味でも、自転車保険の必要性はかなり高まっています。