大手損保社、保険料収入が8年ぶりに前年比減少。

大手損害保険3グループの4~9月の保険料収入が計3兆7,986億円と前年同期から2.3%減少したことが発表されました。
上期で前年の実績を下回ったのは実に7年ぶりとのことです。
しかし、7年続けて保険料収入の実績を伸ばしてきたのにも、保険料の値上げや駆け込み加入なども要因していたので、決して順調に良い内容でというわけではなかったことを考えれば、今までのツケが回ったと言っても過言ではないと思います。

今回の保険料収入が減った大きな要因は火災保険にあります。
火災保険は2015年10月に期間10年を超える火災保険の取り扱いをやめたため、駆け込み需要で割安感のある長期保険に切り替える顧客が急増していました。
そのため、4~9月契約月の火災保険の更改契約が減ってしまったのです。
火災保険は通常1年毎の更改契約をしている人が多いのですが、中には2年、3年、5年の期間で契約している人もいます。
保険期間が長くなれば保険料率も変わってきますし、その間に保険料改定があっても次回の保険の更改時期まで保険料改定の影響を受けなくて済みます。
そのため、10年を超える火災保険も人気がありました。
また、地震保険の保険料の値上げが決まっていることもあり、検討する人が多かったのだと思います。

主力の自動車保険の保険料が1.3%増加はしていますが、これも保険商品の内容を変えたりと一契約の単価が高くなるような傾向も見られます。
決して、自動車保険の加入者が単純に増加したりというわけではありません。
若者の自動車離れも懸念されており、今後の保険料収入増収はますます厳しい環境にあると思います。

保険料収入の増収も確かに損害保険会社にとっては大切なことだとは思います。
しかし、大切な財産を守るための保険に消費者が加入しにくくなるような保険料のアップばかりにならないように努めて欲しいと思います。

(以下は日経新聞より一部抜粋)

大手3損保、4~9月の保険料収入2.3%減 駆け込み反動で

 大手損害保険3グループが6日発表した4~9月の保険料収入(速報値)は計3兆7986億円と前年同期から2.3%減った。上期で前年の実績を下回ったのは7年ぶり。火災保険が18.1%減と前年同期の駆け込み需要の反動で大きく減少した。

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