建設業者の社会保険加入率が100%にならない理由
国土交通省は、2012年11月から15年9月までの建設業許可業者の社会保険などの加入指導状況について発表しました。確認した申請件数37万3423件のうち、加入確認数(既加入数+指導を受けて加入した件数)は34万3140件で、加入率は91.9%となり、地域別にみると、加入率が一番高かったのは四国の98.4%。
次いで北陸・九州・沖縄(97.1%)、中国(96.7%)となりました。一方、関東と中部では9割を切る結果となりました。
一般的に社会保険とは労働者災害補償保険(いわゆる労災保険)雇用保険、健康保険、厚生年金保険のことを指しますが、建設業は労災保険と雇用保険の料率が他の職種に比べて高い特徴があります。この理由は、建設業は危険と隣り合わせの職種のため、場合によっては労働中に死亡したり高度障害に陥ってしまうリスクが他の業種に比べて高いためです。
全国的に社会保険の加入率が高いのは当然の結果であり、むしろ100%でないことに疑問を持ってしまいます。
それぞれの社会保険は加入条件が各種法令で定められておりますが、建設業の場合、仕事の内容や業務時間を考慮すると前述した4つすべての社会保険に加入していないことが不思議でなりません。確かにすべて日雇労働者の場合は4つすべてに加入することはありませんが、非現実的だと考えます。
本来、社会保険に加入しなければならないのにも関わらず、加入していない企業もたくさんありますが、100%にならないということは一部の建設業者でそのような社会保険の加入逃れをしている可能性が大きいと考えられます。
建設業者の社保加入率、9割超す-最高は四国の98.4%
国土交通省は11日、2012年11月から15年9月までの建設業許可業者の社会保険などの加入指導状況について発表した。これまでに確認した申請件数は37万3423件。うち、加入確認数(既加入数+指導を受けて加入した件数)は34万3140件で、加入率は91.9%となった。地域別にみると、加入率が一番高かったのは四国の98.4%、次いで北陸・九州・沖縄(97.1%)、中国(96.7%)と続いた。一方、関東と中部では9割を切る結果となった。
14年4~9月の6カ月間の申請件数は3万3658件。うち、既加入数は2万7841件で82.7%だった。一方、15年4~9月の6カ月間では、申請件数6万3010件に対し、既加入数は5万5425件の88.0%と、5.3ポイントも増加。指導による加入数を含めた加入率は92.4%と0.7ポイント増となった。
(電氣新聞)