診療報酬・調剤報酬の引き下げについて

病院に行くといつも思うのですが、待ち時間が長くて診察時間は短いのに、会計の支払いの多さに驚くことがありませんか。検査などをすれば、それに応じて支払いも増えますよね。
医療サービスなどの公定価格である診療報酬により、支払い額が決まります。

さて、財政制度等審議会の分科会で、診療報酬改定について議論されました。財務省は、この診療報酬の引き下げを主張しています。中でも、調剤報酬はマイナス改定など、厳しい見直しを迫られそうです。

診療報酬が1%下がれば、医療費は約4,300億円減少し、国民の負担が軽減されるだけではなく、国の財政負担も約1,100億円減る計算になります。しかし、医療機関にとっては収入が減少することになります。

病院経営や薬局経営も決して楽な状況ではなく、廃業する個人医院や病院、薬局もあります。病院のグループ化、薬局も全国チェーンなどが多くなっていますよね。診療報酬が下がると、経営が厳しくなる病院や薬局も増えるのではないでしょうか。

また、後発医薬品の普及も政府は進めていますが、これに伴い「薬価」の引き下げを求めています。後発医薬品が身体に合わず逆に体調を崩してしまったという体験談を耳にしたこともあり、個人的には慎重に薬選びもしたいと思っています。一概に後発医薬品が安いからいいとは言い切れないと思います。

「かかりつけ薬局」を優遇することも検討されているのはいいことだと思います。しかし、大きな病院で処方箋を貰った場合、病院の近くの薬局の方が便利ですよね。
具合が悪い時にわざわざ「かかりつけ薬局」へ行くよりは、そのまま病院近くの薬局で薬を購入する方が現実的だと思います。

「お薬手帳」の徹底や、「マイナンバー制度」のように診療歴や処方歴を共有情報として医療関係者が患者の同意の元に閲覧できるシステムが開発されるのもいいのではないでしょうか。安心して医療機関や薬局に頼れる環境の整備を、診療報酬を下げるのと同時に進めて欲しいと思います。

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「調剤報酬」抜本見直しを=診療報酬引き下げで―財務省

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は30日の分科会で、2016年度予算編成の焦点となる診療報酬改定について議論した。

 財務省は、医療サービスなどの公定価格である診療報酬の引き下げを主張。このうち薬剤師の仕事に対して支払われる調剤報酬は、マイナス改定に加え、仕組み自体を「ゼロベース」で抜本的かつ構造的に見直すよう求めた。

 診療報酬を1%下げれば医療費が約4300億円減り、国民負担軽減につながる。これにより国の財政負担は約1100億円減るが、一方で医療機関は収入減となる。財務省は診療報酬「本体」が賃金や物価動向に比べて高い状況だと指摘し、マイナス改定が必要だと強調。「薬価」についても、後発医薬品の普及などに伴う市場動向を反映して引き下げるべきだとした。(時事通信)

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