生命保険金の請求漏れ、対策は家族ぐるみで。

明治安田生命保険が高齢者の契約を対象に実施した保険金の支払い確認で、2015年度に376件の申請漏れが判明したことを発表しました。内訳は、死亡保険金が243件、入院・手術の給付金が133件となっています。

かねてから保険金の請求漏れは問題視されており、これを防ぐために生命保険協会が公表した指針に沿って各保険会社は制度も設けています。
明治安田生命が結果をまとめたのは初めてですが、まだまだ請求漏れは多くあると思います。今回の調査は、77歳と90歳以上の契約者が対象で、約9万件の内、点検ができたのは96.9%で100%には至っていません。
しかも、その他の年代にも請求漏れが存在することは容易に想像できます。

保険金の申請漏れは日本社会の課題を映している

未請求案件は、家族が保険加入を知らなかったり、認知症などで請求していなかった場合が多かったという結果になっています。
これは核家族化、そして高齢化が大きく影響していると思います。

住宅事情や仕事の関係もあり、2世代同居することも難しいことも多いと思われますが、それだけにコミュニケーションをしっかり図っておく必要があるのではないでしょうか。
日ごろから、どこの保険に契約しているかくらいは話し合っておくことは大切だと思います。

保険契約のチェックは自分のため家族のため

保険請求にも時効があり、多くの場合、約款では3年としています。保険金支払い対象事故から長い時間が経過すると、書類を整えるのが困難になることも考えられます。
病院のカルテにおいても保存期間は無期限ではありません。請求しない内に受取人が死亡等した場合には相続が発生し、そのために手続き書類が複雑になることもあります。

せっかく「もしも」のために加入した生命保険が活かされないのは、加入した人にとっても不本意でしょう。
そうならないためにも、家族や身近な人には保険加入を知らせておくことや、場合によってはエンディングノートなどに書き残しておいたりすることも大切ではないでしょうか。

また、名義変更や連絡先がどこになっているか、変更する必要がないかは、毎年、「ご契約の確認」などが保険会社から送られて来ますので、年に1度くらいは気にしてもいいのではないでしょうか。
面倒、煩わしいと思わず、家族のため、自分のためにも最低限必要なチェック事項だと思います。
もし仮に、家族に保険加入を知らせていなかったとしても、家に定期的にその保険会社から「お知らせ」が届いていれば、そこの会社に問い合わせをする可能性は高いと思います。

保険会社も契約者も、保険に加入したら「おしまい」と言うのではなく、お付き合いのスタートですから、お互いに連絡を取り合い、その時々に必要なメンテナンスをして保険終了まで気持ち良く契約を続けられるように努めることがより大切になってきています。

(以下は毎日新聞からの一部抜粋です)

明治安田 376件請求漏れ 高齢者の保険契約…初の調査

 明治安田生命保険は4日、高齢者の契約を対象に実施した保険金の支払い確認で、2015年度に376件の申請漏れがあったことが分かったと発表した。死亡して保険金が請求できるケースが243件、入院や手術の給付金を請求できるケースが133件あり、支払いを進めている。

 保険金の支払い漏れを防ぐため生命保険協会が公表した指針に沿って設けた制度で、明治安田が結果をまとめたのは初めて。

 未請求だった案件は、家族が保険に入っていることを知らなかったり、認知症などで請求をしていなかったりする場合が多かった。

 このほか、連絡先や名義人の変更などの手続きが必要なケースが約1500件あり、請求できるケースを含めて計2302件で対応が必要な契約が確認された。

 対象は喜寿の77歳と90歳以上の全国約9万人の契約者。はがきや電話で所在を確認し、できない場合は社員が訪問した。9万人のうち96.9%の契約を点検した。連絡が取れない人は今後も確認を続ける。

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